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車いすバスケットボール/鳥海連志・独占インタビューvol.3『パラスポーツという枠を超える』

東京2020パラリンピックにて、準優勝を果たした、車いすバスケットボール男子日本代表。中心選手として活躍、大会MVPにも選出された鳥海連志選手に迫る、全3回にわたる本連載。最終回の今回は、鳥海選手が語る、車いすバスケットボールの現在と未来について。

こちらは、全3回にわたるインタビューの最終話となります。

▼鳥海連志選手の東京2020パラリンピックスーパープレー▼

(東京2020パラリンピック 2日目 日本vsコロンビア)

ポジション:ガード
生年月日:1999年2月2日
出身地:長崎県
所属チーム:パラ神奈川SC
在籍:WOWOW

Instagram
https://www.instagram.com/iamrenshichokai/

3歳の時に両下肢を切断、両手指の欠損もあり、障がいクラスは2.5。中学1年の時に車いすバスケットボールと出会い、15歳で男子日本代表候補合宿に召集され、17歳でパラリンピック2016年リオ大会に出場。2021年東京大会では、大会MVPに選出される活躍で貢献、チームを大会史上初の準優勝に導いた。

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▶▶Part2はこちらから


–パラリンピック東京大会、チームは準優勝、ご自身もMVPに輝きました。

準優勝という結果に関しては、チームで(リオ大会から)5年間積み上げてきたものがあったので、純粋に嬉しかったです。

バスケットは団体競技ですが、ベスト5やMVPなどの個人賞があるので、自分のモチベーションとして、毎回それらを狙いにいくようにしています。僕を長い時間出場させてくれたヘッドコーチや、僕にいろんな役割を任せてくれたチームメイトの存在があります。

これまで、世界の中では9位とか、難しい結果しか残せなかった日本代表が、銀メダルを取りました。今回の大会における世界的な評価として、「日本チーム、良くやったよね」というものがあり、代表として僕がMVPを頂いたというようなイメージです。

–車いすバスケットボールは、パラスポーツという枠にとどまらず、健常者の競技と合わせたスポーツ全体の中でも、見るスポーツとして非常に面白いと思います。現在、この競技が置かれている地位や人気を、どのように感じていらっしゃいますか?

東京大会までは、マイナーなスポーツという位置にあり、知っているけど見たことは無いなど、それほど認知度は高くなかったと思います。なかなか日の目を浴びることがなく、悔しかったりしました。

今回のパラリンピックで注目して頂いて、いろんな人が見に行きたい、興味があると仰ってくださるようになりました。

総合的な日本の車いすバスケットボールのレベルに関して、よりレベルを上げないといけないし、よりエンターテイメント性が必要だし、よりいろんな部分で応援してくださる方々を楽しませるという要素が必要だと思います。

注目して頂いている分、これからいろんな課題が見えてくるのかなと個人的に思っています。

–スポーツに参加してみたいと思っているけどできていない、選手ではない障がい者の方も数多くいらっしゃると思います。パラスポーツ全体の現状を、どのように捉えていらっしゃいますか?

これまでは、障がい者が行うスポーツとして認知されていたと思うんですけれど、健常者、普通の方でも、パラスポーツに関わることができる、それも競技者としてプレーすることができます。

多分、そこまで知られていないと思いますが、実際にできるんですよね。ですので、障がいがあってもなくても関われますよっていうことを、もっと発信していかないといけないと思います。

それと、パラスポーツの参加には、費用の問題もあります。他の競技のことはわかりませんが、車いすバスケットボールの例で言うと、競技用の車いすは、簡単に購入できる金額ではなく、かなり高いです。

そうした問題をいかにクリアしていくのかというところは、今後競技人口を増やす上で、かなり重要な部分かなと思います。

–今後、車いすバスケットボールという競技が、どの様に発展して欲しいですか?

サッカーや野球の試合がテレビで放送されるように、車いすバスケットボールの試合を放送したら視聴率取れるよねとか、やっぱり観たいよねとか、そういうところまで行くことが、多分、価値としてわかりやすいことなのかなと思います。

そこまで行けば、普及、発展っていう言葉を使わなくても、もう多分それらがなされている段階なのだと思います。

そうなれば、車いすバスケットボールがパラスポーツの花形だと、自信を持って言えるでしょうし、パラスポーツという枠を超えて、スポーツとして面白いよねっていう風に言ってもらえると思いますし、そこは1つのゴールだと思います。

–社会全体が、どういう風にパラスポーツや車いすバスケットボールに向き合い、接することを期待しますか?

社会的に、今は多様性やダイバーシティなどの言葉がたくさんありますが、僕たち自身も、困っていることは何なのか、自分たちでできることは何なのか、ひとりひとりから発信していかないといけないと思います。

そういうことは、障がいによっても違うし、その重度によっても違います。社会的には、何を求められていて、何を助ければいいのか、何が助けなくていいことなのか、どう接して良いのかわからない状況です。

僕たち自身は、発信をしていくことが必要です。

その上で、社会がそれを理解しようとすること。最終的には、そういうダイバーシティとか多様性とかバリアフリーという言葉自体がなくなること。

それらの言葉がなくなるということは、もうそういう状況になっているということだと思うので、そういうところまで行ければ、1つの時代としては合格かなと思います。

今回の東京大会の盛り上がりだけで終わってしまうのではなく、続けて行くこと、それが1番大きいと思います。

End(お読みいただきありがとうございました。完 )


3回にわたりお届けしてきました、車いすバスケットボール鳥海連志選手のインタビューは、今回で終了です。

今後、車いすバスケットボールにつきましては、京谷和幸氏(男子日本代表ヘッドコーチ)と田中晃氏(日本連盟理事/WOWOW代表取締役社長執行役員)のインタビューをご紹介の予定です。

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