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ロベルト・レヴァンドフスキ独占インタビューvol.1 『サッカーは個人競技ではない』

ブンデスリーガ/ FCバイエルンミュンヘンのセンターフォーワードとして君臨する、ロベルト・レヴァンドフスキ。

強さと高さに加え、しなやかな身のこなしから繰り出されるテクニックやアクロバティックなプレーで、観客を沸かせる魅力的な選手である。

2014年から所属するFCバイエルンミュンヘンでは、375試合に出場し344ゴールというとんでもない成績を叩き出した。まさに世界最高のFWと言えるのではないだろうか?

そんなロベルト・レヴァンドフスキに、メディアコネクトか独占インタビューを行った。

長年候補にも上がっているバロンドールへの想いや、自身のキャリアなどについて語ってくれた。

今回は、全3回にわたるインタビューの1回目になります。

【ロベルト・レヴァンドフスキはどんな選手?】

生年月日:1988年8月21日(33歳)
出身地:ポーランド/ワルシャワ
身長:185cm
体重:81kg
在籍チーム:バイエルン・ミュンヘン
ポジション:FW
背番号:9
利き足:右
経歴:2006-2008 ズニチュ・プルシュクフ/2008-2010 レフ・ポズナン/2010-2014 ドルトムント/2014- バイエルン・ミュンヘン

–やあ、ロベルト、来てくれてありがとう。君はポーランド出身だよね?南米には大きなポーランド人のコミュニティがある。だからポーランドのサッカーには、大きな敬意を持っているんだ。もうすぐ決まるバロンドールの話から始めようか。有力候補は誰だろう?もし君が決めるなら誰を選ぶ?

バロンドールに値する選手を1人だけ決めるのは、かなり難しい。

なぜなら多くの選手が、毎週のように素晴らしいパフォーマンスを繰り広げ、たくさんのゴールを決めてるからね。彼らはゲームチェンジャーでもある。

分かっていると思うけど、僕は自分自身のことはもちろん、他のトップレベルの選手のことも話せるよ。しかし僕にとって重要なのは、常に自分のことに絞って話すということだ。

だから、今回は僕の話をするよ。

自分自身のこと、自分が成し遂げたことなら、今年だけじゃなく2020年のことも振り返ることができるよ。なぜなら、僕にとって華々しい1年だったからね。

自身でさえ信じられないような1年だった。(2020-2021シーズン)

–いくら調子の良かったシーズンとはいえ、自分で自分のことは選ぶことは難しいよね。だったら、誰がふさわしいと思う? そもそもこれっておかしいよね。チームスポーツなのに個人賞なんだから

そのとおり。今年だけを見るなら、僕は大事な2試合に出場できなかった。CLのPSG戦は残念ながら怪我をしていたんだ。

苦しい時間を過ごしたよ。なぜなら、もし自分がベンチにいたら勝利できたかも……いや準決勝、もしかしたら決勝に進んでCLを制覇することができたかもしれないからね。

たとえば去年(2019-2020シーズン)では、僕らは決勝でPSGに勝っている。2020年のCLでは1度も負けなかった。ブンデスリーガ、カップ戦(DFBポカール)とすべてのトーナメントを制覇したんだ。

今季(2020-2021シーズン)も同じように勝ち進んでいたけど、不幸にも僕が怪我をしてしまい、2-3週間ベンチ外を余儀なくされたんだ。

僕としては自分のパフォーマンスが出ていたし、準備万全だった。PSGに勝ってどうしてもCL決勝に進みたかったよ。でも、それがサッカーなんだ。これは個人競技じゃない。チームスポーツだからね。

どんな時でも僕らは最高のテクニックとベストなパフォーマンスを見せてきた。これからも優勝を目指して、最高のサッカーができると信じているよ。

–僕たちメディアが、こうして世界中の優れた選手たちと会えるのは、一種の特権だと思っている。けど、君のライバルでもあるロナウドやメッシのようなスーパースターが、同時代にこれだけの長い期間、頂点に君臨してたことはいまだかつてなかったよね?これまでも偉大な選手はたくさんいたけど

同意するよ。この十数年、ロナウド、メッシと同じフィールドに立ってきたけど、それはすごくタフなことだった。

彼らはそのスキルでいかに優れた選手かを証明してきたし、長期にわたり高いレベルを維持してきたんだ。

まったく次元の違う選手たちだよ。同じプロサッカー選手だからこそ、分かるんだ。まちがいなく向こう十年では、彼らのような選手は出てこない。

もしかして二人なら、十年後もバロンドールを争っているかもしれない。何人かの例外選手は出てくるかもしれないけど。

この時代に生まれて、僕はホントに幸せだよ。僕も彼らのようにとはいかないまでも、パフォーマンスを見せられる選手になった。サッカーのスタイルでいえば、僕と彼らとでは100%異なっている。

彼らがこれまでサッカー界に貢献してきたことは、一過性なものではなく、語り継がれるべきものなんだ。どのようにプレーをしてきて、現在どのようにプレーしているのか。

それは1年、2年だけのことでなく、長きにわたりトップであり続けることがどれだけ大変なことかを、彼らは示しているんだ。

–2020-2021シーズンにゴールデンシュー(欧州得点王)を受賞したことは、君にとってどのくらい重要なことだった? チームとして戦う時、守備にせよ攻撃にせよ、バイエルンはまさにマシーンのようだったよね?君の仕事は、ゴールネットに向けてとどめを刺すこと。それを君は成し遂げた。そしてゴールデンシューを受賞したわけだ

最初に言っておくと、ブンデスリーガはたった34試合しかない。つまり他国のリーグより4試合少ないわけだ。さらに、僕は29試合しか試合に出場しなかったけど、41ゴールを決めた。ゲルト・ミュラーの最多ゴール記録を塗り替えたんだ。

僕が成し遂げたこの記録は、単に特別なことというだけじゃなく、ある意味、ほぼ実現不可能な快挙でもあるんだ。

そして久しく受賞がなかったブンデスリーガから、僕がゴールデンシュー受賞者となった。それは、ストライカーにとっても非常に意味のあることだね。多くの人がストライカーに注目し、ゴールを期待するからね。

2019-2020シーズンも、それに近いところまでいった。僕は34ゴールを決めたが、最終的にゴールデンシューを受賞した選手はたしか、35か36ゴールだった。(※イタリア・セリエAのラツィオに所属するインモービルが36ゴールで受賞)

しかしそれから1年後、僕は自分が何試合に出場するかにまったく興味がなくなっていた。より重要なことは、自分がいくつのゴールを決められるかなんだ。

結果として34試合すべてでプレーすることはできず、出場は29試合だけだったけど、ゴールデンシューを獲得することができたんだからね。

僕はそれをとても誇りに思うし、幸せに思う。なぜならそれは、すべてのストライカーにとって、とても大きなタイトルだから。

To Be Continued…(vol.2の投稿は 7/3(日)予定)

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