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COLUMN

Nov.11.2019
【ご当地ゆるスポーツアワード2019開催記念 特別連載3】
アイディアでジャンプし、ルールで着地する
#ご当地ゆるスポーツアワード #ゆるスポーツ 

全国各地のオリジナルご当地ゆるスポーツを募集し、その中からもっとも素晴らしい作品を表彰するという「ご当地ゆるスポーツアワード2019」の開催を記念し、連載を行っている本コラム。
今回で、一旦最終回です。

前回はご当地ゆるスポーツの創り方ということで、富山県氷見市で生まれたハンぎょボールの「ハンドボールの街、氷見市で、地元名産の寒ブリをテーマとしたスポーツ」というメインストーリーが作られるまでを解説しました。
今回は、ここから競技としてハンぎょボールとなっていく過程を説明したいと思います。

アイディアをジャンプさせる

よく、「どのようにゆるスポーツのアイディアを思いつくのですか?」という質問を受けますが、これと言って決まったやり方はありません。散歩していて突然思いつくこともあれば、おしゃべりしていて思いつくこともあります。
アイディアを思いつく方法は様々ですが、コツのひとつとしてアイディアをジャンプさせるという方法があります。アイディアを考えるとき、自分の当たり前や前提を超えるのは意外と難しいものです。知らぬ間に、こうあるべきという枠を作ってしまっていることが多いからです。そこで、思考をジャンプさせるために、今まで考えていたことから一度離れて、まったく違ったアプローチをします。

小学生に対してスポーツを開発するワークショップを行う際、次のやり方をよくします。
まず、「知っているスポーツ」と「好きなもの」を、カードにたくさん書いてもらいます。次に、そのカードを裏返して「知っているスポーツ」から1枚、「好きなもの」から1枚カードを引いて、出たカードを組み合わせたスポーツを開発してもらうというものです。例えば「うさぎバスケ」といったものです。
こうすることで、今まで自分になかった選択肢や考えが強制的に生まれ、自分の概念の殻をやぶるきっかけにすることができます。このように、思考をジャンプさせることで、まったく違った視点が出現し、飛躍的な考えが浮かびやすくなるのです。

ハンぎょボールの開発にあたっての私のジャンプは、藤子不二雄A先生が描いた、脇にブリを抱えた氷見のゆるキャラ「ひみぼうずくん」でした。「ハンドボール」と「ひみぼうずくん」を組み合わせることで、「ブリを脇に抱えてハンドボールをしてみたらどうだろう?」という、自分の思考の枠を飛び超えたアイディアが生まれました。
このジャンプをきっかけに、「ハンドボール」というスポーツのよさと「地元名産のブリ」の要素を組みわせた「ハンぎょボール」のベースとなるアイディアが次々と湧いてきました。
「脇にブリを抱えれば、ボールのスピードが遅くなるから、ハンドボール未経験者でも怖くない。更に、ゴールを決めたプレイヤーの脇に抱えたブリが出世する(大きくなる)仕組みがあれば、ゴールを決められる上手いプレイヤーほど、どんどんプレーがしづらくなって全体が平均化される!」
ちなみにここに至るまで、考え始めてから3ヶ月かかりました。

ロジカルでフェアなルール作りで着地する

アイディアが浮かんだら、次はルールを決めていきます。アイディアだけでは、スポーツとして楽しむことができません。それは、スポーツのルールというのは非常にロジカルにできているからです。ロジカルであるかという判断は、人に文章や言葉だけで説明したときに、相手が自分のイメージしているものと近いものをイメージできるか、という点で考えてみるとわかりやすいと思います。

例えば、小学生にこういう話をします。「サッカーを知らない人に『ゴール前で反則をするとPKを取られます』と説明をしてわかるだろうか?」と。この場合にまずわからないのが、「ゴール前」の定義です。サッカーを知っている人は「自陣のペナルティエリア」とわかります。しかしサッカーを知らない人は、どこからどこまでがゴール前なのか、そもそも誰のゴール前なのかわかりません。
こういう部分を整理していくのが、ロジカルなルール作りです。

ゆるスポーツのルールも、ロジカルで実は極めてフェアです。基本的にはどんな人でも同じルールで楽しむことができ、なるべくハンデを与えないということを意識しています。それは、スポーツをやる場においてルールが一定であることが、その場所にいるプレイヤーに安心を与えるからです。理由もわからないのに突然反則を宣告される。自分は反則を取られたのに、同じことをした別の人は反則を取られない。このような場所は、安心できる場所となりえません。

ハンぎょボールはこのような過程を経て、約5ページにもなるルールブックを作成しました。毎回このルールをすべて説明するわけではありませんが、様々な場面を想定してルールが作成されています。
このように、アイディアを飛躍させることに加え、ロジカルでフェアなルールを設計し着地させることで、誰もが楽しめるゆるスポーツを創ることができるのです。

ゆるスポーツ協会の目標はみんなが自分がチャンピオンになれるスポーツを1つずつ持つことです。
つまり日本に1億2000万個のスポーツが生まれる世界を目指しています。
そのためには、一人一人が自分の好きなこと、得意なことを、テーマとしてスポーツを作っていってもらいたいと思っています。

それでは「ご当地ゆるスポーツアワード2019」のご応募お待ちしています!
https://yurusports.com/archives/3213

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この記事を書いた人
萩原 拓也
■萩原 拓也 1983年生まれ。システム開発会社、スポーツIT会社を経て2018年スポーツマネジメント会社入社。スポーツ専門のシステム開発やコンサルタントをしながら、WEBメディアの編集長として活動している。世界ゆるスポーツ協会事務局長。media CONNECT編集長。
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