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永里優季・独占インタビュー vol.2『ワールドカップ優勝からの10年で得たこと』

異例ともいえる、男子チーム「はやぶさイレブン」に期限付き移籍を発表した、日本女子サッカー史上最高のストライカーと呼ばれた、永里優季選手。

なでしこジャパン(サッカー女子日本代表)がワールドカップで優勝する前から、海外の女子サッカーリーグでプレーし、タイトル獲得など様々な経験をしてきた。

そんな彼女が今回の男子チーム挑戦に込めた想い、今後のビジョンや女子サッカー「WEリーグ」創設を控えた現在の女子サッカーについてなどを語っていただいた。

インタビュアーは、加藤謙太郎が担当。

今回は、全2回にわたるインタビューの最終話となります。

生年月日1987年7月15日
出身地神奈川県厚木市
所属シカゴ レッド スターズ(アメリカ)
身長168cm
種目・ポジションFW
背番号12

経歴 :林サッカークラブ→⽇テレ・メニーナ→⽇テレ・ベレーザ→1.FFCトゥルビネ・ポツダム→チェルシーレディースFC→ヴォルフスブルク→ 1.FFCフランクフルト→シカゴ・レッドスターズ→ブリスペン・ロアー(loan)→はやぶさイレブン(loan)


――今、サッカー選手として大切にしていることは?

自分の内側にある本質としっかり向き合って、従うこと。これまでサッカーを結果至上主義として捉えてきていましたが、現在はアート的に捉えています。社会の変化と共にサッカーも変化していっているなかで、自分を素直に表現してくことと、自分がコントロールできそうにないことにも少し争ってみる。このバランスをうまく調整して、自分自身を超えていきたいなと考えています。

――女子サッカー「WEリーグ」創設が予定されています。良い面もある一方で財政的な面や男女間の差がある事実を考慮すると、プロ化に対してどう感じていますか?

選手会のほうで活動をしていまして、「WEリーグ」創立にどう感じているのかを伺う機会がありました。半分以上の選手がプロ化をしない方がいいと言っています。給与面など保証されていないという財政面の理由がある現状で、サッカーに対するプロ意識が低くなってしまいます。プレーしている選手がそうなってしまうと運営側も難しくなっていくし、気持ちがファンを集めるためだけの意識になってしまいます。そんな気持ちであると、そもそもファンを集めることさえできないと思います。ベースに意識や思いが足りていないので、どうなってしまうのか不安でもあります。

――来年でなでしこジャパンがワールドカップを優勝して10年になりますが、自身にとってこの10年とは?

楽しさや嬉しさをなかなか思い出せない、険しい山を上り続けた10年でした。きつくて辛いことの方が圧倒的に多かったです。

ただ、この10年があったからこそ、今の考え方や人生を楽しめているとも感じています。修行のような10年でしたが、自分が選択していったというよりは、神様が辛い方に導いてくれたという感じですね。

――その中でも、代表、海外でも多くのゴールを決めてきたと思います。自身にとって忘れられないゴールとは?

直近だと、2015年のワールドカップの決勝(ドイツ代表戦)のゴールです。

理由は、今まで挑戦して積み重ねてきたことがあの舞台で出せたこと。それが偶然ではなく必然で出せたことに価値があるのかなと思います。

――今後、それを超えるゴールは見られそうですか?

アメリカでプレーしていて、スタジアムや観客のエネルギーによって自分のプレーが引き出されていることに気づきました。舞台が大きくなればなるほど、自分自身が持っているポテンシャルが引き出されているので、もしそういった機会があれば、特別なゴールを決めたいと思います。

――引退後のビジョンや挑戦したいことは?

トップレベルでやれると考えると、あと3年ですね。

まだまだ、自分の技術や身体面で向上させていきたいですし、そこに向かう楽しさを感じています。ピッチ上で表現することが自分の生きがいなので。

他に、自分はアーティストになりたいということに気づいて、そういう活動も含めてサッカーをもっとアート的に捉えていこうかなと。自分の美学というものより高いレベルで、今回は男子チームですけども作って行けたらなと思います。

具体的に引退後とは考えていないですね。

この3年で自分の目標に向けてどう活動していくかで、その後のビジョンが見えるといいですね。

――これからも様々な挑戦を見せてくれそうですね。

結局、自分が言っていることは世界の77億分の1の意見でしかないです。あらゆる違いを持った人の意見を肯定できる社会にしていきたいなと考えています。

それぞれがどのように異なる価値観や意見を受け止めて肯定し、同じ共同体の一人として生きていけるか、という視点で物事を考えていって欲しいです。

 

End(これまでお読みいただきありがとうございました。完)

 

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