-ロホ-
じゃあ、今度は僕の番だ。アルゼンチンはもううんざりだった。
あの異常な状況を想像してみてよ。でも、僕はずっとエストゥディアンテスで選手を続けるつもりだった。
生涯、エストゥディアンテスでプレーすると思っていたんだ。
トップチームに昇格して練習をしていたある日、エストクディアンテスのサポーターがバスで練習場にやってきた。
その日の午後、バスでやってきたサポーターたちは練習を見学したんだ。
ベロンもいるトップチームの練習を終えて、僕はスタンドの友達のところに近寄って言った。
「ちょっと待っててくれないか。僕は君たちと一緒に乗ってくから。(公共機関の)バスに乗るお金がないんだ」ってね。
-エレーラ-
で、サポーターと一緒に乗ってったの?
-ロホ-
そしたら、サポーターたちは僕を待っていてくれたんだ。急いでシャワーを浴びたよ。
そのままバスに乗り込んで、僕が住んでいる地区まで連れて行ってもらった。
僕はそうやって自分の家に帰ったんだ。
午前中は練習に行って、午後は友達と過ごしてた。5人制のサッカーをしたりしてね。
1日中外にいて、あちこち行ったり来たりしてたな。
-エレーラ-
僕にとってサラゴサが自分の育った心のクラブであるように、君にとっては、デビューしたけど、まだプロの選手だっていう自覚がなかった頃のエストゥディアンテスがそうだったんだね。
(プロとしての)自覚はなかっただろ?
僕もそれまでと同じように生活していた。練習が終わったら友達と過ごしていたしね。
トップチームにデビューする前は、みんなと一緒に飲みに行ったりもしてたしね。
僕が思うに、君がエストゥディアンテスを出てロシアに行ってから、よりプロとしての自覚が生まれたんじゃない?
-ロホ-
ロシアではまったく何もわからなかったよ。
-エレーラ-
僕がビルバオに行ったときも同じだ。ビルバオに実家はあったけど、結局、僕が成長したのはサラゴサだからね。
もちろん、ビルバオは僕の心のクラブではあるけど、サラゴサこそが、僕がデビューしたクラブであり、僕が育ち学んだ場所なんだ。
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End(お読みいただきありがとうございました。完 )