-あの瞬間を覚えていますか?ボールが来て、無意識に手を出してしまった・・・(南アW杯ガーナ戦でスアレスが両手でゴールを阻止した出来事)
そうだね。あれは、あれはそう、反射的だったというか・・・
僕だけではなくて、誰であっても同じことをしていたと思う。
僕は膝でいったんゴールラインからボールをはじき出したんだけど、こぼれ球をガーナの選手がヘディングで押し込もうとして・・・
とっさのリアクションで・・・手を出してしまった。
幸いにもボールは押し出せたけど、その直後にPKをとられた。
そして、それはフェアプレーに欠けるプレーだと非難された。
だけどそれよりも、ゴールしようとしている選手を後ろから引っ張って怪我をさせかねないプレーのほうがよほど悪質じゃないかい?
-あなたはあのプレーで退場処分になった。そしてPKを宣告された。ウルグアイは絶体絶命の状況から、まるでロッキーの激闘のように粘りましたね。そして最後はロコ(セバスティアン・アブレウの愛称)がとどめを刺した。これは私の祖母までもが知るエピソードです。
けど僕は、PK戦のメンバーリストを見ていなかったんだ。
だから、どの選手がPKを蹴るのかは知らなかった。
僕は、ギジェルモ・レベトリアや他のチームスタッフと一緒にロッカールームにいて、そこからPK戦を見ていた。
ロコが最後のPKを決めた時も・・・正直言って・・・彼が5番目のキッカーだって気がつかなかったんだ。
ロコがPKを決めた瞬間、ギジェとこんな風に話してたぐらいだ。
「もうPKはないのかい?」ってね。
ギジェは「いや」と答え、僕は彼に言ったんだ。
「もうPKはない。それはありえない」ってね。
するとギジェも「そうだ。もうPKはないんだ」って答えたんだよ。
ロコがPKを決めたのを見た時、僕らは座ったまま「ゴール!」って叫んだけど、彼が叫びながら走ってくるのを見て初めて「僕らが勝った」と気づき、そこでギジェと抱き合って外に走り出た。だから、その瞬間は勝ったってことに気がついていなかったんだ。
-監督はロコに最後のキッカーになるよう命じましたが、ディエゴ・ルガーノはそれに反対したとか。フチーレがロコの横にいたそうですが、ロコは「フチ、最初のPKでキーパーは動いたか?」って聞いたそうですね?
そうだね。あれは語り続けられるエピソードだよ。信じられないエピソードさ。
ロコ自身も語っていたけどね。
1本目のPKの時も2本目のPKの時も、ウルグアイの選手がPKを蹴るたびにロコは、キーパーが動いたかどうか聞いてきたらしいんだ。
しまいにフチーレがあきれて、「おい、ロコ。決めろよ。キーパーはぜんぶ動いていたぞ」って言ったんだ。
監督の決断もなかなか思い切っていたと思うね。
ロコが最後のキッカーとして決めてくれることを信じていたとはいえ、多くの人たちをハラハラさせるだろうってこともわかっていたはずだ。
とても思い切った判断だった。
-一緒に飲みに行きたい人はいますか?
たとえば、セバスティアン・コアテスとか?何人かと一緒にでもいいですし、ワインに詳しい誰かでもいいですよ。あなたがまだ会ったことがない人でもかまいません。
アルゼンチン人だからだとか関係なしに、一緒に飲みに行ったりサッカーの話をしたい人は、ガブリエル・バティストゥータだね。
僕にとって彼はアイドルなんだけど、今まで知り合う機会がなかった。
-あなたのお気に入りのレストランに連れていきたい人はいますか?「お気に入りのレストランに連れていきたいのは~」という風に答えてください。
サッカー選手じゃないとダメ?
-はい。本音で教えてください。誰と一緒に食事をしたいのか。いいサーロインステーキとかグリルの肉を誰と食べたいか。
ちょっと待って。今考えてる。うーん、困ったな。誰とだろう?ぜんぜん浮かばないよ。あ、わかった!
-はい。いいレストランに一緒に食事に行きたい人は誰でしょう?
いいレストランね・・・
ここウルグアイで、いいウルグアイ料理のレストランで一緒に食事をしたい人は、マキシ・ロドリゲスだね。
アルゼンチンの肉は世界一と思われているけど、それは間違いさ。それを証明したい。
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To Be Continued…(vol.2の投稿は6/6(日)予定)