-若手の選手として成長する中で、あなたのこれまで最大のチャレンジはなんでしたか?
あなたはサッカーのエリート一家出身で、お父さんが残した重たい過去の遺産を背負ってきました。
小さい頃から僕を救ってくれたことのひとつは、いつだって自分のやりたいことをやってきたっていうことだ。
自分だけじゃなく兄弟もサッカーが好きだったし、僕らにとって、それで成長していくことが一番重要なことだった。
だからプレッシャーはなかったよ。父親からも母親からもまったくね。
だからこそ、子供の頃から今にいたるまでサッカーに対する愛情が変わらないんだと思う。
-サッカー界で有名なお父さんを持つことに、重圧があったのでは?
うーん、正直そうでもないかな。
僕たち、つまりカルロス・ハビエル・マック・アリスターの息子にとって、
マック・アリスターという名前を持つことが、良い面も悪い面もあることは理解している。
だから、父親や叔父のおかげでサッカーエリートとして名字が知られていることはわかっていたけど、
できるだけ外野からのプレッシャーは感じないように心がけてきた。
プレッシャーを感じずにプレーをしているし、それをすごく楽しんでいるよ。
-パルケ(最初に入団した地元のクラブ)ではどんなことを学びましたか?
うーん、パルケはとても特別な場所だった。
本当にあらゆることを学んだ場所だよ。サッカーの基礎やテクニックもね。
僕たちは週に2回練習していたけど、うち1回はずっとテクニックの練習だけをしていた。
1時間、いや2時間ぐらいだったかな?ずっとテクニックだけ。あとの1回は練習試合さ。
始めはサッカーの楽しさを、そのあとはテクニック面の向上を磨いたね。
-テクニックを学ぶことが一番重要なのは、何歳ぐらいまでだと思いますか?
テクニックの練習は常におろそかにしてはいけないと思う。
なぜなら、サッカーで最も重要な部分だから。
その後、たくさんのことを付け足していかなければならない。
フィジカル面もそうだし、メンタル面も・・・
とは言え、最も重要なのはテクニックやボールコントロール、パスなんだ。
-アルヘンティーノ・ジュニオールズは、いいサッカーをするクラブだから気に入っていたのでは?少年時代を過ごしたんですよね?
そうだね。本当にそのとおりだ。ラッキーなことに育成チームには素晴らしいコーチたちがいたし、彼らのおかげで選手としても人間としても大きく成長することができたんだ。
だから、育成チームの時代はサッカーがすごく楽しかったな。
特に6部とか5部の頃がね。リザーブチームにステップアップする前の15、16歳の時だよ。
その頃に気がついたんだ。育成チームっていうのはサッカーを楽しむためのものなんだってね。
中には、家族が怒鳴ったりして子供にプレッシャーをかけたりすることもあるけど、それって違うよね。
少なくとも僕にとっては、それは違うと思ったんだ。
一番大事なことは、その時期を楽しむことだと思うんだ。
だって、この先プロになれば、多くのプレッシャーがかかり、苦しむ時も訪れるはずだからね。
だから、小さい頃はサッカーを楽しまなければいけない。
そこから先は、サッカーのあらゆる問題に立ち向かっていかなければならないのだから。
-あなたに聞こうと思っていたのですが、いちばん苦手だったことはなんですか?
家族からのプレッシャーを受けている子どもたちや若い選手たちに言いたいことはありますか?あなたの場合はそれがなかったということですが、経済的な困窮から脱するため、子どもたちに過大なプレッシャーをかけている家族がたくさんいます。
本当にそのとおりだね。
さっきも言ったけど、父親からのプレッシャーが一切なかったことは本当にラッキーだった。
もちろん、試合の後には、どうプレーすべきか、すべての面で向上するために何が必要かっていうアドバイスはくれたけどね。
でも、他の選手の父親が試合中に怒鳴ったり、相手チームの選手たちをののしったりするのを聞いたことがある。
それはまったくいいことではないし、その頃、一番好きじゃないことのひとつだったね。
-子どもにとって、プロを目指すのか目指さないかの分岐点はどこでしょうか?
僕が思うには16歳か17歳じゃないかな。
そのあたりの年齢が、自分がサッカー選手としてできるかどうかを自覚する頃だと思う。
あるいは、その後なら18歳かな?デビューが早い子も遅い子もいる。
でも、16歳とか17歳ぐらいが、プロを目指すか目指さないかを決めるのに最適な年齢だと思う。
-自分がファンであるクラブでプレーすることは更なる喜びだと思いますが、同時に二重の責任もありますよね?特にボカの場合は、その熱量がかなり大きいですから。
確かにおっしゃるとおりだったよ。でも、素晴らしい瞬間を経験したし、すごく楽しかった。
楽しめたというのは、子どもの頃、兄弟と一緒に父親に連れられてスタジアムに応援に言っていた頃からの夢だったからね。
それは、僕がかなえたいと夢に見ていたことの一つだったけど、ほろ苦い思い出でもある。
クラブにいた期間がすごく短かったからね。
でも、いつかまたあそこに戻ってプレーしたいよ。
-母国を出てイングランドに行き、サッカー選手として人間としてどんな部分が成長したと思えますか?
僕は変わったと思う。たぶん、自分では気づいてないけど、変わったと思う。
住む国が変わって文化が変わって、1人だけで来て、彼女と一緒にここに暮らして。
こういうプロセスが僕を人間的に大きく変えたと思う。
そして、家族がいかに大事なものかを気づかせてくれた。
たぶん、近くで暮らしていたらその重要さは気がつかなかったかもしれない。
今は少し遠いところにいて、ちょっと不思議な感じがする。
家族だけでなく、僕の友人たちや周りにいた人も含めてね。
それも人生の一部だし、そういうことに向き合っていかなければならない。
あとはサッカーを思いっきり楽しむ。世界のベストリーグのひとつでプレーしているということをね。
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To Be Continued…(vol.2の投稿は7/11(日)予定)