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ニコラ・アネルカ独占インタビューvol.1 『20年間という長いキャリアを生き抜くには』

ニコラ・アネルカ。パリ・サンジェルマンやアーセナル、レアル・マドリード、チェルシーなどといったビッグクラブで活躍した、元フランス代表のストライカーである。

現役時代は、圧倒的なスピードと研ぎ澄まされた得点感覚を武器に、プレミアリーグで得点王にも輝いている。

今回はそんなニコラ・アネルカに、メディアコネクトが独占インタビューを行った。

ビッグクラブで活躍するフォーワードの条件、異国でプレーする際に克服すべきこと、若い選手へのアドバイス、などについて伺った。

今回は、全2回にわたるインタビューの1回目になります。

▼ニコラ・アネルカのプレー集です。こちらからご覧ください。▼

生年月日:1987年2月14日(34歳)
出身地:フランス・マルティニーク
身長:185cm
体重:83kg
在籍チーム:エバートン
ポジション:FW
背番号:39
利き足:右足
経歴:1996-1997 パリ・サンジェルマン/1997-1999 アーセナル/1999-2000 レアル・マドリード/2000-2002 パリ・サンジェルマン /2001-2002 リヴァプール(ローン)/2002-2005 マンチェスター・シティ/2005-2006 フェネルバフチェ/2006-2008 ボルトン/2008-2012 チェルシー/2012 上海申花/2013 ユヴェントス(ローン)/2013-2014 WBA/2014-2015 ムンバイ


-ニコ、あなたは素晴らしいクラブでプレーしてきましたね。このようなクラブでフォワードとして活躍するには、何が必要ですか?

まず、大きなプレッシャーがあるから、強い精神力が必要だね。競争も激しいから、リラックスなんてせずに、継続して努力することが重要だ。高いレベルに到達することは大切だけど、一番難しいのは、そこに居続けることだよ。

だから、トレーニング中もトレーニング後も継続して努力する必要がある。

そして、完璧な生活習慣も欠かせないね。良いレベルでプレーするようになれば、栄養のある食事を摂ったり、十分な睡眠を取ること。常に集中していなきゃいけないんだ。

キャリアは1年や2年ではない、20年間続くもの。20年間生き残るためには、しなければいけない事があるよね。

-ですが、中にはそのようにしないブラジル人の選手もいますよね。笑オルテガ、ロマーリオ、ロナウジーニョなどなど・・・規律がないわけじゃないけど、自由が必要な選手たちですよね。例えば「自由がなければ、プレーしたくない」って。

みんなそれぞれ違う人間だからね。それぞれ生活も異なるし。確かに、ロマーリオみたいに出かけて遊ぶ選手もいるのは事実だよ。あとロナウジーニョもね。笑 ピッチで良いプレーをするために、彼らはパーティーをする必要があるんだ。

今言った通り、人それぞれだよ。あなたの体に何か必要としていると感じたとする。遊びに行く、家にいる、寝る、それはもう自分の選択だよ。

とにかく、ロマーリオのキャリアは長いよね。ロナウジーニョもそう。ただ、彼らは並外れた選手だったし、バロンドールを獲得したとしても、もっとうまくやれたと思う。完璧な生活習慣を持っていれば、さらに高いレベルまで到達できたんじゃないかな。

-プロの選手として直面する課題の一つは、さまざまな国での生活に馴染むことです。世界中に行く仕事ですもんね。ニコの場合、フランス人に家族と友達がいますが、沢山の国でプレーしましたよね。どのように自分を保つことができましたか? そして、他の国に適応するために何が必要でしょうか? サッカーの観点からもお願いします。

まずは言語だね。言語は、僕たちが別の国に到着した瞬間から重要な役割を果たすよ。

もし、新たな国に到着し、新しいクラブの選手とコミュニケーションが取れないなら、それを迅速に解決しないといけない。つまり、その国の言語を学ばないといけないということだね。

次に、ゲームスタイル、その国自体、新しいチームメイトたち、そしてクラブ。それらに適応することは簡単じゃないよ。

確かに、僕は沢山のクラブでプレーした。新たなクラブに移籍した時に問題を抱えたことはなかったけど、一般的に新しいチームメイトとコーチ、新しい国、新しいプレーの方法に適応するのに時間と情熱を注いだかな。

外からは簡単に見えるかもしれないけど、それらの違いに慣れるのは、単純なことじゃないし時間がかかるね。

-多くの監督とも仕事をしてきましたが、ニコのキャリアの中で、もっとも重要なアドバイスは何でしたか?そしてそれはどんな時に言われたものですか?

アーセナルでプレーするため、パリ・サンジェルマンを離れた際に、当時監督だったヴェンゲルに言われた言葉かな。

「ニコのペースでやってくれ」と言ってくれたんだ。若い頃っていうのは、誰もがすぐにプレーしたがる。けど、新しい言語や文化、新しいリーグに、新しい選手もいる。「人々は君のことをまだ知らない、そしてまた君も他の選手をまだ知らないから、自分のペースでいい」とね。それは簡単なことじゃないし、根気が必要だよ。

サッカー選手にとって、忍耐は成功への鍵となる。うまくいかない時に、精神力や忍耐力があれば、成功することができるんだ。

-さまざまな場所でプレーしましたよね。適応するのがもっとも難しかったこと、反対に簡単なことは何でしたか?そして、その理由も教えてください。

前にも言ったように、一番大変だったのは言語だね。言語が理解できないと、コーチや選手、その国の人々とのコミュニケーションが難しいよね。だから・・・

-どこの国が難しかったですか?

だから、時間がかかったな・・・

-トルコ?

そうだね。トルコ、中国、インド、イギリスも。イギリスに行った時は、全く英語が話せなかったんだ。スペイン語も全然だったよ(レアル・マドリード時代)。

毎回難しいよ。イギリスとフランスでは、人々の考え方が異なるしね。イギリスからスペインに行く時も、言葉はもちろん人々の考え方が全く違うから、移籍する度に適応が必要なんだ。言語も違うし、プレーの仕方も違う、監督も違う、特に人々考え方は大きく変わる。クラブや国を変えると、本当に沢山の変化があるんだ。

-プレッシャーや障害を乗り越えるために、どのようなことをしてきましたか?どのようなことが最も困難でしたか?

新たなクラブに加入した時の話。クラブの会長は僕の加入を望んでいたけど、監督は僕を望んでいなかったことがあったんだ。

すごく難しい状況だったよ。クラブの会長は僕に会えて喜んでくれたけど、監督はそうではなかったからね。

二人の間に挟まれていたよ。 こんな状況だと、試合に出れるのか分からない。クラブの会長は僕にプレーして欲しいけど、監督は他の選手にプレーさせるプランがある。それを管理するのは、すごく難しかったよ。監督に自分が良い選手であることを示さないといけなかった。そのために、フォワードにとって最良の方法は、ゴールを決めること。

さっき言った通り、その状況では忍耐が大事だ。フォワードとして、デビュー戦からゴールを決めるのは難しいからね。本当に複雑だったよ。

-ゴールを決める時、どんな気持ちを感じていましたか?サッカーはチームスポーツですが、ゴールを決めるのはフォワードの仕事ですよね。

満足感を感じるよ。フォワードの目的は、ゴールを決めることだ。ゴールを決めることに報酬をもらっている。だから、自分の仕事がうまくいったら、達成感を感じるね。

▼インタビュー動画はこちら▼

To Be Continued…(vol.2の投稿は11/28(日)予定)

 

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