–若い頃、サッカー選手として成長する過程で、何が一番の困難でしたか?家族や友達、地元からのプレッシャー、コーチの善し悪し、家族から離れることなど、一番乗り越えるのが難しかったことを教えてください
まずは、実家から遠い場所へ行かなきゃいけなくなった時かな。地元から離れ、新しいチームでチャレンジする時というのは、多くの選手が一番苦しむことだと思う。
経済的な理由だったり、知り合いが周りにいなかったりと、新天地での生活は難しいね。
だから、地元の選手は貴重なんだ。地元のサッカークラブから成り上がっていきたいという夢があった。今の僕があるのは、その想いが強くあったからだと思うよ。
–「君はプロになれないよ」と何回くらい言われたましたか?
何度も言われたよ。
–多くのチームにも入団を断られました?
それも何回も断られたさ。けど今の僕は、プロ選手としてプレーしている。キャリアもあるし、タイトルも獲得している。若い頃、継続的に努力をしてきたおかげで、今は幸せだよ。夢にチャレンジすることは、あの頃の僕にとって一番重要なことだったんだ。
チャレンジしないで、メンドーサ(マルティネスの地元)に残ることは考えられなかったね。あの時の決断が、一番よかったのかはわからないけど。夜も眠れない日もあったけど、自分がしてきた決断に後悔はないね。結果的には良い判断だと思っているよ。
–あなたにとって、リーベル・プレートのユニフォームというのはどのような意味がありますか?
初めてリーベル・プレートのユニフォームに袖を通した時は、それは夢のようだったよ。子どもの頃に願った、アルゼンチンのビッグクラブでプレーしたいという夢を叶えたんだからね。その後は、年を重ねるごとに目標を探していたよ。ここで満足するのではなく、さらなる高みを目指していた。だから僕にとってリーベル・プレートのユニフォームは、満足せずに上を目指し続けるという意味あったね。
–サッカー選手を目指す若い子にとって、何が一番重要なことでしょうか?
ビッグクラブでプレーすることを、常に夢見ていた子どもには、ユニフォームに袖を通すことと、お金を貰うことは一つの到達点だ。しかしそれだけで満足せず、楽しむこと。
プレーすることを楽しみ続けることだね。ユニフォームに敬意を持ってプレーするけど、ピッチ上では楽しまないといけない。子どもの頃の想いを胸に、楽しんでプレーしないとね。“楽しむ”は、今後成長していく上で、努力の糧となるんだ。また、ユニフォームを着るということは、そのチームの代表でもある訳だから、楽しんでプレーをする必要があるんだ。
–リベルタドーレス(南米クラブ王者を決める選手権大会)について聞かせて
リベルタドーレスは、選手が夢見る特別な場だよね。だから僕も、その瞬間を生きようとしている。注目が大きく、プレッシャーもかかる試合なんだけど、僕は頭の回転が早くなるんだ。浮き足立ってるわけではないから、時間の経過も変わらないよ。そんな大会なんだから選手は、深呼吸して、自分がどこにいるのかを理解しないといけない。この瞬間を楽しみ、好きなプレーをしなくてはね。プレッシャーとか、チームを代表しているとかは二の次に。
–大きな舞台で緊張しないためには、練習など万端の準備を整えることで解消できますか?
もちろん練習は、試合でいいプレーをするための基盤になる。同じように、食事や休息もとても重要だね。練習は80%の割合を占めると思う。もちろん選手は、それらを自然に理解しているよ。
–若い選手に、避けるべきこと、しないほうがいいことのアドバイスをお願いします
例えば、監督の戦術的に合わない時とかに……。
いやいや、サッカーを本気でしていたら、誕生日会に出れないこととか、パーティーに参加できないこと、旅行に行けないこともあるよね。辛いことだけど、そこは心配しないでと言いたいね。なぜならその努力は、後に君のサッカーの技術や人生を豊かなものにするから。これらの行事はサッカー人生の後でもできるよ。たくさん旅行することとかね。友達と外に出かけて遊びたい気持ちもわかる。けどダメなんだ。そういう時期じゃない、それを断らないといけないんだ。練習は、万全な状態で行わなければいけない。断ることは、悪い訳ではないんだよ。将来のために、優先順位をつける必要があるんだ。
End(お読みいただきありがとうございました。完 )
▼インタビュー動画はこちら▼