–2014年W杯開催中、アルゼンチン代表はどのような状態にありましたか? 調子や雰囲気など
もし過去にW杯でプレーした経験がある人ならわかると思うけど、W杯には魔物がひそんでいるんだ。(下馬評通りにはいかない)そういった現象があるのは聞いていたけど、自分のチームでは考えられなかった。2014年当時の代表チームは状態にも良かったし、「このチームは何か特別だぞ」という感覚を感じていたから。
–(2014年W杯)アルゼンチン代表は順当にグループステージを進み、決勝まで上りつめましたこの躍進には理由がありますか?
完全に信頼し合える、まとまったチームであることを証明したね。
特に言えるのは、ピッチ内で自分たちが「していること」「しようとしていること」に確信が持てたことかな。サッカーを決定付けるのは、今言ったことだよ。
望むものに対して、確信を持つこと。
時間が経てば、望んだものをさらに気に入ったり、逆に気に入らなくなったりすることはあるけど。個人としてもチーム単位としても、確信を持つことができれば最高だよ。
–(2014年のW杯)決勝はドイツと対戦でした。結果は残念ながらアルゼンチンが敗れました敗因は単純に力の差だったのでしょうか?
あの出来事は、これからの人生でも、ずっと僕らの記憶に残るだろうね。僕はサッカーにおいて、負けは2種類あると考えている。
1つは、負けた時に、自分たちが相手よりも劣っていたと感じること。相手がピッチ上で、自分たちより優れていることを示してきて、全くチャンスが作れなかった時とかね。そういう時には、できるとこまで踏ん張るしかできない。
2つ目は、勝てると思ったのに、負けてしまったこと。その経験を今から話すよ。
正直僕たちは決勝戦の前から、ドイツは自分たちより調子が良いと思っていた。なぜなら、僕たちよりもチームのレベルが高かったし、決勝までの試合の内容が良かったからね。しかし、いざ決勝が始まると、全く違うチームに思えた。僕たちは、ドイツよりも優れていると感じた。
実際には僕たちが思い描く通りにはならず、ドイツが優勝をしてしまったんだけど。けど、できうることは全てやり切ったから、自分達を卑下するつもりは全くないね。
これらの経験はプライスレスだね。結果以上のものだよ。「できること」「しなければいけないこと」は全てやった。サッカーも他のスポーツと同じさ。結果と自分達の取り組みは、必ずしも一致しないんだ。
–あなたが成し遂げたことについて、どう感じますか?素晴らしいことを成し遂げましたよね。あなたの身に起こった、全ての出来事について教えてください
これまで話したことを経験できたのは、プロサッカー選手としてだけではなく、一人の人間として一番良思い出だったと思うね。
もう僕は W杯を二度と楽しむことができないからね。(年齢的な問題で)
それをファンの人だけにではなく、チームメイトや僕の娘たちにも、自分を見せることができた。W杯初出場の時には、まだ娘たちは小さかったからね。
もちろん僕たちは、トロフィーを勝ち取るために戦ったわけだけで、2位という結果は残念だ。だけど、その結果を得るために、どれだけの努力をしたかを考えれば、賞賛に値する結果だと思うね。
2011年、自国開催であったコパアメリカの結果は国民に大きな落胆をさせたんだ。
この事があったから、3年後のW杯で僕たちは、勝つ必要があったんだよ。それは本当に大きなプレッシャーだったね。3年間で世界の頂点に立ち上がることは大変なことだから。
(2014年W杯)優勝こそできなかったけど、短い期間の中で世界2位まで上れたんだから、満足しているよ。顔を背けずに闘うことや、勇気を持つこともこの大会で得ることができたしね。当時の僕たちは、良い時も悪い時も逃げることはない。顔を背けず、常に前に進もうとしていたよ。
To Be Continued…(vol.2の投稿は 6/19(日)予定)
▼インタビュー動画はこちら▼