–やあ、ロベルト、来てくれてありがとう。君はポーランド出身だよね?南米には大きなポーランド人のコミュニティがある。だからポーランドのサッカーには、大きな敬意を持っているんだ。もうすぐ決まるバロンドールの話から始めようか。有力候補は誰だろう?もし君が決めるなら誰を選ぶ?
バロンドールに値する選手を1人だけ決めるのは、かなり難しい。
なぜなら多くの選手が、毎週のように素晴らしいパフォーマンスを繰り広げ、たくさんのゴールを決めてるからね。彼らはゲームチェンジャーでもある。
分かっていると思うけど、僕は自分自身のことはもちろん、他のトップレベルの選手のことも話せるよ。しかし僕にとって重要なのは、常に自分のことに絞って話すということだ。
だから、今回は僕の話をするよ。
自分自身のこと、自分が成し遂げたことなら、今年だけじゃなく2020年のことも振り返ることができるよ。なぜなら、僕にとって華々しい1年だったからね。
自身でさえ信じられないような1年だった。(2020-2021シーズン)
–いくら調子の良かったシーズンとはいえ、自分で自分のことは選ぶことは難しいよね。だったら、誰がふさわしいと思う? そもそもこれっておかしいよね。チームスポーツなのに個人賞なんだから
そのとおり。今年だけを見るなら、僕は大事な2試合に出場できなかった。CLのPSG戦は残念ながら怪我をしていたんだ。
苦しい時間を過ごしたよ。なぜなら、もし自分がベンチにいたら勝利できたかも……いや準決勝、もしかしたら決勝に進んでCLを制覇することができたかもしれないからね。
たとえば去年(2019-2020シーズン)では、僕らは決勝でPSGに勝っている。2020年のCLでは1度も負けなかった。ブンデスリーガ、カップ戦(DFBポカール)とすべてのトーナメントを制覇したんだ。
今季(2020-2021シーズン)も同じように勝ち進んでいたけど、不幸にも僕が怪我をしてしまい、2-3週間ベンチ外を余儀なくされたんだ。
僕としては自分のパフォーマンスが出ていたし、準備万全だった。PSGに勝ってどうしてもCL決勝に進みたかったよ。でも、それがサッカーなんだ。これは個人競技じゃない。チームスポーツだからね。
どんな時でも僕らは最高のテクニックとベストなパフォーマンスを見せてきた。これからも優勝を目指して、最高のサッカーができると信じているよ。
–僕たちメディアが、こうして世界中の優れた選手たちと会えるのは、一種の特権だと思っている。けど、君のライバルでもあるロナウドやメッシのようなスーパースターが、同時代にこれだけの長い期間、頂点に君臨してたことはいまだかつてなかったよね?これまでも偉大な選手はたくさんいたけど
同意するよ。この十数年、ロナウド、メッシと同じフィールドに立ってきたけど、それはすごくタフなことだった。
彼らはそのスキルでいかに優れた選手かを証明してきたし、長期にわたり高いレベルを維持してきたんだ。
まったく次元の違う選手たちだよ。同じプロサッカー選手だからこそ、分かるんだ。まちがいなく向こう十年では、彼らのような選手は出てこない。
もしかして二人なら、十年後もバロンドールを争っているかもしれない。何人かの例外選手は出てくるかもしれないけど。
この時代に生まれて、僕はホントに幸せだよ。僕も彼らのようにとはいかないまでも、パフォーマンスを見せられる選手になった。サッカーのスタイルでいえば、僕と彼らとでは100%異なっている。
彼らがこれまでサッカー界に貢献してきたことは、一過性なものではなく、語り継がれるべきものなんだ。どのようにプレーをしてきて、現在どのようにプレーしているのか。
それは1年、2年だけのことでなく、長きにわたりトップであり続けることがどれだけ大変なことかを、彼らは示しているんだ。
–2020-2021シーズンにゴールデンシュー(欧州得点王)を受賞したことは、君にとってどのくらい重要なことだった? チームとして戦う時、守備にせよ攻撃にせよ、バイエルンはまさにマシーンのようだったよね?君の仕事は、ゴールネットに向けてとどめを刺すこと。それを君は成し遂げた。そしてゴールデンシューを受賞したわけだ
最初に言っておくと、ブンデスリーガはたった34試合しかない。つまり他国のリーグより4試合少ないわけだ。さらに、僕は29試合しか試合に出場しなかったけど、41ゴールを決めた。ゲルト・ミュラーの最多ゴール記録を塗り替えたんだ。
僕が成し遂げたこの記録は、単に特別なことというだけじゃなく、ある意味、ほぼ実現不可能な快挙でもあるんだ。
そして久しく受賞がなかったブンデスリーガから、僕がゴールデンシュー受賞者となった。それは、ストライカーにとっても非常に意味のあることだね。多くの人がストライカーに注目し、ゴールを期待するからね。
2019-2020シーズンも、それに近いところまでいった。僕は34ゴールを決めたが、最終的にゴールデンシューを受賞した選手はたしか、35か36ゴールだった。(※イタリア・セリエAのラツィオに所属するインモービルが36ゴールで受賞)
しかしそれから1年後、僕は自分が何試合に出場するかにまったく興味がなくなっていた。より重要なことは、自分がいくつのゴールを決められるかなんだ。
結果として34試合すべてでプレーすることはできず、出場は29試合だけだったけど、ゴールデンシューを獲得することができたんだからね。
僕はそれをとても誇りに思うし、幸せに思う。なぜならそれは、すべてのストライカーにとって、とても大きなタイトルだから。
To Be Continued…(vol.2の投稿は 7/3(日)予定)
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