–坪井さんは現役時代、Jリーグでフェアプレー賞を獲得されていますよね。
相手の攻撃の芽を摘むCBの選手が、フェアプレー賞を取ることは珍しいと思います。坪井さんのプレースタイルは、どのように生まれたのでしょうか?
ただ単に相手を止めるのではなく「ボールを奪って攻撃につなげる」という強い意識を持ってプレーしていました。相手選手をファールで止めてしまうと、結局は相手ボールになってしまいます。
意味のないファールはしないほうがいいですよね。
僕にとって、相手のボールを奪い攻撃につなげる一連の流れ、が守備の醍醐味なんです。いかにタイミング良く相手とボールの間に体を入れられるか、いかに攻撃を意識した守備を行えるか、常にこのような意識でプレーしていたことがフェアプレー賞を獲得した要因かなと。
フェアプレーを意識していたわけではありませんが、奪った後のプレーをイメージしながらプレーし始めてから、ボールを奪えることが増えたんです。そこから「いかに美しくボールを奪うか」というところに楽しみを見い出すようになりました。
–海外のサッカーでは「相手を削ってでも守る」という考えが根付いていたり「汚い手を使っても勝つためにプレーする」という文化がある国もあります。坪井さんとは真逆の考え方ですよね。フェアプレーがモットーの坪井さんは、この考え方について、どう思われますか?
勝つためには必要な要素かもしれないので、ファール自体を全否定するつもりはありません。しかし「ボールを奪って攻撃につなげる」ことを考えたら、できる限りファールで止めない方がいいと思います。
現代サッカーでは、賢くファールで止めることはよくありますし、勝つためにファール覚悟で止めるシーンもあるのは理解しています。
ただ、相手選手を傷つけないように止める方法もあると思いますね。
実際、軽く押したり審判にバレないようにひっぱるくらいは、僕もやりますが(笑)。
しかし、意図的に「相手を傷つけてやろう」とか、「どんな手を使ってでも勝つ」という考え方にはなりません。勝負に勝つための駆け引きには喜んで参加しますが、相手が怪我をするようなプレーをするのは、よくないと思っています。
–現役時代「レッドカード覚悟で止めなければいけない場面」はありましたか?また、もしカード覚悟で止めなければ点数が入る場面に遭遇したとき、どうするのが正解なのでしょうか?
僕のサッカー人生で、レッドカードを覚悟して止めに入ったことは一度もないんです。それは僕にスピードがあったからだと思いますが、相手に怪我をさせずに守ることを大切にしています。ライバルであろうと、同じサッカーをプレーしている仲間ですからね。
ルールの範囲内で守ろうとした結果、カードが出たり、相手が怪我してしまうのは仕方がないと思います。しかし、意図的に怪我をさせようとするのは、自分の中では受け入れられません。
ポジショニングや相手との距離感など、試合中から常に修正しておけば、ファールを覚悟しなければならない状況を避けることができます。
若い選手には、ファールをせずに自身の技術で守る術を身につけてほしいですね。
–長い間第一線でご活躍されていると、対戦した中には、ラフプレーをしてくる選手もいたと思います。そのような選手とマッチアップでも、自分のスタイル(フェアプレー)を貫けるものなのでしょうか?
海外の選手が主ですが、汚いプレーをしてきたFWはいましたね(笑)。
南米の選手に多かったのは、相撲をとっているのでは?と思うくらいに抱き抱えてきたり、転がされたりしたのを覚えています(笑)。日本だったら絶対にカードが出るようなプレーでしたが、その時はファールにもならなかったです。南米の選手はここまでやるのかと驚かされましたよ。
その時に初めて「戦っていく上では、綺麗なだけでは止められない部分もある」ことも理解できるようになりました。
しかし、相手が汚いプレーをしてきても、自分まで同じように汚いプレーをする必要はないですし、意図的に相手を壊すプレーはしたくありません。ボールを奪ってから攻撃につなげるプレーが一番好きだったので、僕のスタイルは曲げませんでしたね。
–坪井さんは「美しくボールを奪う」というこだわりが強いんですね。フェアプレーに対する美学や哲学があれば教えてください。
ファールせずにボールを奪うと気持ちがいいんです。
相手を傷つけずに自分の読みと技術で守れた瞬間は、子どもの頃に友達と楽しみながらしていた感じに通ずるものがあります。
子どもの同士のサッカーでは「勝つために何でもしてやろう」というよりも「いかに良いプレーできるか」の方が大切でしたよね。
駆け引きの中で「美しくインターセプトをする」「綺麗にシュートブロックする」「相手とゴールの間に華麗に体を滑り込ませボールを奪い取る」という瞬間がたまらなく好きなんです。フェアプレーにこだわっているというよりも、自分の好きなプレーでチームに貢献したいだけなんです。
–幼少期の経験が、坪井さんのプレースタイルを作り上げたんですね。
では「守備の選手が備えておくべき能力」について3つ挙げるとしたら、何を選びますか?
「予測」「準備」「安定したメンタル」の3つです。
現代サッカーではクオリティが求められ、なおかつ身体能力も高い選手が多くおり、ゲームのスピードも早いです。そのため、時間とスペースが無い中でのプレーを強いられることになります。
そういった状況では、ゲームの流れや相手チームとマッチアップする選手の傾向を「予測」することが欠かせません。
次に、その予測に対応する「ポジショニング」を取ることが重要になります。未来に起こることを予測した上で、その出来事に対応できる準備をしっかりしましょう。
最後に「安定したメンタル」ですが、DF は相手の動きに対応するプレーが多くなるので、基本的に受け身のポジションです。受け身のプレーが多いということは、直前まで相手が何をしてくるのか分かりませんし、予想外のことも起こり得ます。その時に平常心でベストの対応ができないと失点をしてしまいます。
「予測」「準備」「安定したメンタル」の兼ね備えることで、さらにレベルアップできると思います。
–今回のインタビューで、守備についての考えが変わった気がします。
最後に話しは変わりますが、W杯企画の方で坪井さんにプレゼントいただいたTシャツは、坪井さんの奥さんが運営されているお店で販売しているとか。お店のコンセプトや、今回プレゼントいただいたTシャツについて教えてください。
お店の名前は「DUE GENERAL STORE SHONAN」といい、茅ヶ崎にあります。「シンプルな作りで、生産者さんのこだわりを感じる物を置く」という方針で、妻が運営しています。ジャンルでいうと、セレクトショップになります。
基本的にお店は妻が運営しているので、彼女が気に入ったものを仕入れて販売しています。お店がある茅ヶ崎には、アクセサリーや帽子の作家さんがたくさんいるんです。そういった地元の作家さんの製品を中心に販売しています。たまに、僕も本業のかたわら「バイト坪井」としてお店に立っているので、来ていただけると嬉しいです。
今回視聴者さんと読者さんへプレゼントさせていただくTシャツについてですが、アメリカComfort Colors社の6.1oz丸胴を採用しています。生地の質感と、雰囲気のあるロゴが特徴のアメリカンなTシャツです。 Comfort Colors社独自の方法で約50回の洗い加工をしているため、絶妙な色合いが特徴的です。日々着用され、洗濯を繰り返していくことで、色褪せや経年変化が進みます。1シーズンで、古着のビンテージTシャツのような質感が楽しめるのがポイントですね。
ぜひ、プレゼントにご応募ください!
–豪華プレゼントのご案内
Twitterでmedia CONNECTアカウントをフォロー&RTをして、坪井慶介さん&福西崇史さんのサイン入り色紙orサイン入りミニボールと、『DUE GENERAL STORE SHONAN』のTシャツを貰おう!
【プレゼント】
・本人直筆サイン入色紙 5名様
・本人直筆サイン入ミニボール 1名様
・DUE GENERAL STORE SHONAN Tシャツ 3名様(S,M,L 格サイズ1名様ずつ)
【期間】 2022年10月23日(日)~2022年11月6日(金)
【抽選方法】
・サイン入り色紙とサイン入りミニボール:メディアコネクトのTwitterを【フォロー&リツイート】していただいた方の中から抽選。
・『DUE GENERAL STORE SHONAN』 Tシャツ:メディアコネクトのTwitterを【当アカウントをフォロー& 引用リツートにて希望サイズをコメント】していただいた方の中から抽選。
※Twitterでのリツイートに関しましては、期間中に投稿した坪井慶介さん関連のツイートに限らせて頂きます
※抽選が決まり次第、当選者のみダイレクトメッセージにてご連絡を差し上げます
【media CONNECTツイッター】https://twitter.com/connec10com
To Be Continued…(W杯企画後編の投稿は10/30(日)予定)