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一般社団法人世界ゆるスポーツ協会:インタビューvol.2「ゆるスポーツの考えるチームとは」

今話題の「ゆるスポーツ」。それは、年齢・性別・運動神経に関わらず、だれもが楽しめる新スポーツ。勝ったらうれしい、負けても楽しい。足が遅くてもいい。背が低くてもいい。障がいがあっても大丈夫。そんな「ゆるスポーツ」を開発する、スポーツクリエイター集団「世界ゆるスポーツ協会」が発足されて今年で4年。
「media CONNECT」リリース記念として「世界ゆるスポーツ協会」を立ち上げた代表であり、福祉クリエイターである澤田智洋さんと、「世界ゆるスポーツ協会」事務局長であり、「media CONNECT」編集長である萩原拓也の対談を企画。「ゆるスポーツ」は何を目指しどのように作られるのか、そこに込められた思いと4年間を振り返って今思うことを聞きました。終始和やかでありながら熱い議論が繰り広げられる2人の対談を、全3回にわたり余すことなく紹介します。
企業、自治体、行政、病院、介護施設、特別支援学校など、あらゆる「ヒト・モノ・コト」とのつながりで成り立つ「ゆるスポーツ協会」。第3回目となる今回は「つながりたい人」をテーマに対談してもらいました。仕事や生き方のヒントが詰まっているので必見です。

■澤田 智洋
1981年生まれ。幼少期をパリ、シカゴ、ロンドンで過ごし、17歳で帰国。2004年広告代理店入社。コピーライターでありながら、音楽家、漫画家、福祉クリエイターなど幅広く活動している。世界ゆるスポーツ協会代表。世界ゆるミュージック協会代表。

■萩原 拓也
1983年生まれ。システム開発会社、スポーツIT会社を経て2018年スポーツマネジメント会社入社。スポーツ専門のシステム開発やコンサルタントをしながら、WEBメディアの編集長として活動している。世界ゆるスポーツ協会事務局長。media CONNECT編集長。

つながりたいのは前傾姿勢の人

萩原:「ゆるスポーツ」を通して、一緒に仕事をしたいというオファーはたくさんあると思いますが、その中で、澤田さんがこの人だったら一緒に仕事をしたいと思える人はどんな人ですか?

澤田:「なぜ僕らなのですか?」という問いに対して、明確かつユニークな熱のこもった答えが返ってくる人ですね。特に熱がこもっているのがポイント。スポーツの試合でプレーしているときと同じように、前傾姿勢になっている人はいいですよね。なので、お金はあるけどやる意義や大義、先方の熱意がない案件は基本的に受けていないです。そういう案件はやっても自分の人生に得がないなって思うんですよ。萩原さんはどうですか?

萩原:僕も自主性がある人がいいです。基本は自分がどうにかするから、その時に知恵や手を貸してほしいというスタンスできてくれる人と、仕事をしたいと思っています。自主性もないのに「無償でなんとかしてください、協力してください」って依頼する人の仕事も受けないです。ボランティアじゃなくて、プロとして取り組んでいるわけですし。お金がなくてもやれる方法はあるんだから、考えることを放棄しないで、もう少し自分たちでやってみたらいいのにと思います。

澤田:それは、困ったらなんでも誰かが与えてくれるという、世の中の公助の仕組みが働きすぎているからだと思うんです。だからこそ今の時代は自主的にやる自助と、周りと協力する共助を大事にしたほうがいいと思うんです。「無償でやってください」というのは公助であって、僕らは公助できるほど立場が上でもないし、立派なものではないんです。だから、みなさんには僕らに頼る前に周りの人たちとコミュニティを作って、自分たちでスポーツを作ってみたり、やってみたりしてほしいと思っています。

一緒に仕事する人に求めるのは、フィールドでの全力プレー

澤田:何かに取り組むときに、フィールドに立っているプレーヤーでいるか、観客席に座っているオーディエンスでいるかは全然違うんです。僕は全員がフィールドに降りてプレーヤーでいる社会を作りたいと思っているんです。プレーヤーでいる状態っていうのは楽しいし、すごく頑張れると思うんです。だから目指すのは「観客席よ、立て!」みたいな脱オーディエンス社会。僕らは弱小団体で偉そうに語る立場にないから、あくまで僕らと仕事するなら、こういうスタンスがいいというだけですけどね。

萩原:僕らはチームプレーを楽しんでいますもんね。一緒に働く人はチームメイトだから、自分がそのチームにいて全力でプレーしたいと思えるか、という観点は大きいですよね。やっぱりチームメイトが本気だから面白いと思うんです。

澤田:スポーツでは試合中にプレーできる人数が限られています。「ゆるスポーツ」もそれと同じだと思っていて、大勢でやるものでもないから、参加する人にはレギュラーを狙う気分で入ってきてほしいと思っているんです。自分の代わりが他にいる状況はつまらないですよね。でもそれを生活上で体験するのは難しいから、まずは自分起点で「ゆるスポーツ」を作ってみてほしいんです。そうすると自分起点の社会や世界像が見えて、その世界では自分がレギュラーですからね。

萩原:自分を軸にオリジナル「ゆるスポーツ」を作ることで、自分ってなんなのか、何を楽しいと思って、何を好きだと感じるのか、自己理解ができますもんね。自分が創始者になったつもりで王国や星をつくるように、自分が中心の世界や社会を作っていくことが「ゆるスポーツ」の醍醐味ですね。

本気モードになるスイッチのひとつが「ゆるスポーツ」になればいい

萩原:そういう自分が主人公になる世界を、みんなが考えられたらもっと楽しい社会になると思うんですが、それができない人は多いように感じます。そのことについて、澤田さんはどう思いますか?

澤田:みんなもっと自分を信じたほうがいいし、自分を好きになったほうがいいと思います。それは自己を甘やかすのではなくて、いろんな側面をもった分厚い人格層としての自分をもっとフェアに見てあげて、認めてあげてほしいんです。

萩原:自分のことを個性がない、たいしたことないと言っている人でも、例えば映像だったら、たった数分で大きなデータ量になるわけです。人間はずっと映像が入ってくるわけだから、生きてきた年数×365日×24時間を計算していくとおびただしい情報量になるわけです。そんなに情報の詰まったデータ、つまり人に価値がないわけがないんです。

澤田:最近僕は「人生のマイベスト喜怒哀楽」を人に聞いて、それがその人の厚みでありその人らしさであることを証明するという取り組みをしています。人の喜怒哀楽の4つの組み合わせが掛け算でかぶることはないから、その時点でその人の本質なんです。そしてそのすごく楽しかったことやうれしかったことは、今の生活やビジネスに生かせていて、誰かにその体験を提供しているか。哀しかった体験を少しでも減らす社会にするために、仕事をやっているか。ほとんどの人がこの問いに「やってない」と答えるわけです。それをやってみてほしいんです。

萩原:誰もがマイベスト喜怒哀楽という編集方針のもと、自分が得てきた膨大な情報量から自分なりの生き方を作っていく編集者なのかもしれないですね。それぞれのパーソナリティーや経験を編集して、自己実現する社会を作っていくことが大切ですね。

澤田:その作業はなかなかやらないから、それを「ゆるスポーツ」を使ってやってほしいです。僕は、それぞれ自分の実感できる社会を作ってみんなが本気モードになったら、世の中が変わると思っているんです。その本気モードのスイッチのひとつが「ゆるスポーツ」になればいいと思っています。

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