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マヌエル・ランシーニ 独占インタビュー vol.3 『絶頂期に起こった悲劇』

ランシーニはアルゼンチン出身のミッドフィルダーで、2015-16シーズンにウェストハムに加入すると、創造性あふれるテクニックを駆使して、攻撃陣の中心選手として牽引している。

「The 南米」スタイルを体現する、ランシーニ選手にこれまでのサッカー選手としての歩み、悲劇の怪我によるロシアワールドカップメンバー外、メッシとの関係性などメディアコネクトにその胸中を語っていただいた。

今回は、全4回にわたるインタビューの3回目となります。

生年月日:1992年1月2日 / 国籍:アルゼンチン / 出身:ブエノスアイレス / 身長:169cm / 体重:64kg / ポジション:MF / 利き足:右足 / 背番号:10
経歴:リーベル・プレート (アルゼンチン・2010~2014) → アル・ジャジーラ (UAE・2014~2016) → ウェストハム (イギリス・2016~)


――代表に招集された時にレオ(メッシ)に会って話もしたと思うけど、どんな印象でしたか?

いろんなことを感じたよ。時にはちょっと恐れ多いと思いながら見たりとかね。だってすごい選手だろう。

そのイメージが溢れ出してる。彼はいつだって憧れの選手のひとりだし。

彼の絶頂期に僕がサッカー選手として成長する時期が重なった。彼を見て、彼と一緒にプレーして、ピッチに入った時に彼がどう動くか、どんな対応をするのか、どうフィニッシュを決めるのかを観察できる。それは僕にとっては何よりの特権だよね。世界一の選手と一緒にピッチに立てる特権さ。

―― レオはすごく物静かなタイプ?それとも保守的?紳士的?ピッチの外と中ではどう?サッカー選手として、仲間内ではどう映りますか?

いやいや、彼はいたって普通だよ。普通の男さ。そりゃあ誰だってそれぞれ違うけど。

僕たちとも他の人たちとも普通に話すし、時々、彼にどう声をかけていいかわからない時があるかもしれないけど、いたって普通のヤツだよ。

――君が初めてイングランドに行った時、君がカナリーワーフにあるホテルに着いた時、「なんてクレージーなんだ」と言ったことを覚えているよ。 「ここはなにがなんだか全くわからないよ」って言ってたよね?ウェストハムと契約した時、イングランドのサポーターは君がどんな選手で、どんなキャリアを歩んできたか、それまでいたクラブでどんな立ち位置を獲得してきたか、ほとんど何も知らなかったんだよね?

そうだね。ウェストハムはイングランドでも過去の歴史や熱狂的なサポーターで最も偉大なクラブのひとつだ。最も古いクラブのひとつでもある。これまでに多くの偉大な選手を輩出してきた。

その中でもイングランドで最も名声を得たのがボビー・ムーアだよね。ウェストハムのシンボルでもある。

偉大なファンに支えられている素晴らしいクラブだよ。確かにアルゼンチンではウェストハムを知る人は少ないかもしれない。イングランドの“5強クラブ”ではないからね。でも、歴史ある本当に重要なクラブなんだ。

――ロシアW杯の直前にドクターから(出場はできないと)連絡を受けた時は泣いたそうだけど(※直前の代表練習での右膝十字靭帯断裂により大会を欠場)、知らせを聞いた時は何を考えましたか?

いくつものことが頭をよぎったよ。泣いたし八つ当たりしたり理解できなかった。
何故、こんないい時にって。僕はあの時、サッカー選手としてキャリアでベストの状態だったからね。それは突然“バン”と頭をハンマーで殴られたようだった。どうしてだ、どうしてなんだってね。

でも、それが人生さ。誰にだってそういうことは起こる。この世界ではどうしても個人では避けられないこともある。僕の兄も多くの怪我を経験した。 それを間近で見ていたしね。

僕には家族の協力を得て怪我に立ち向かうしか道はなかった。僕を支えてくれる恋人や息子の為にもね。だからすぐに自分自身との戦いを始めたんだ。「よし、切り替えよう!」ってね。確かに難しかった。いまでもその時の様子をはっきりと頭に思い浮かべることができる。

でも、自分の今後のキャリアのため、回復に向けて頭を切り替えなきゃって考えたんだ。

▼インタビュー動画はこちら▼

To Be Continued…(vol.4は11/1(日)投稿予定)

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