――男子チーム「はやぶさイレブン」でプレーするキッカケを教えてください。
コロナの影響でアメリカのリーグが7月で終わる予定だった。どうしようか考えていたところ、"男子のチームでプレーしたい"という昔からの希望が、ふとアイデアとして浮かんだのがキッカケです。
兄が神奈川県2部のはやぶさイレブンでプレーしていたので、このタイミングで挑戦してみたいと思い、提案させてもらいました。話はスピード感をもって進んでいき、兄も「それいいね」の即答でした。G Mの方も好感触で、クラブも積極的に受け入れ態勢を整えてくれました。
――実際にチームに加入しての印象や手応えはどうですか?
まだ怪我をしていて部分的に合流をしている状態ですが、コミュニケーションは問題ないです。永井雄一郎さんや岩田卓也さんがチームを引っ張っていく姿勢にやりやすさを感じています。若い選手たちも積極的に話しかけてくれる方もいますし、周りのスタッフや選手に本当に受け入れられているなと感じています。
――日本に帰ってきてのプレー、男子チームの中でどれくらい通用するのか?注目が集まっていると思いますが、どんな姿を見せたいと考えていますか?
男子チーム相手にどれくらいできるのかは、未知数な部分もありますが、やれるイメージはついています。下部リーグなので少し荒っぽかったりしますが、そこは自分の技術や判断力でカバーできるという手応えを少しずつ感じていて。自分の特徴を発揮して、周りのチームメイトを活かせていければいいなと思います。
ジェンダーに関しては、社会の変化にともない小学生の頃よりは感じていません。なので、男子のチームに女子一人が混ざっての新たな挑戦が何らかの形で貢献できればと思っています。W杯でラピノー(アメリカ代表)が伝えようとしていた"男女格差などの社会的なメッセージ"にすごく刺激をもらいました。女性の選択肢がさらに増えていく社会創造に対して、メッセージを発信していければなと考えています。
――海外でのお話もお聞かせください。海外でのプレーを目指すキッカケになった経験や実際に身を置いて、日々の練習でどんな意識で取り組んでいたのですか?
2008年の北京オリンピックでベスト4まで進んで、準決勝でアメリカ・3位決定戦でドイツと対戦して負けた時に初めて、「このまま日本のリーグで続けていても海外のレベルに追いつけない」と感じ、初めて海外を意識しました。圧倒的に、パススピードやフィジカル、パスの飛距離まで全く異なると感じました。この差を埋めないと世界では対等に戦えないと思い、日々努力しました。
――現在の日本女子サッカーをどう見ていらっしゃいますか?
テクニックはあると思いますが、試合で生きるスキルが足りていないと感じています。パススピードの面でも、一歩早く出せたら違う展開が可能になる場面が見られたりと。走るスピードが違うのでプレーのスピード感が異なる、そういった面で判断スピードがまだ不足しているかなと思いますね。
さらに、競合いの部分での弱さが見受けられるので、フィジカル面の強化が必要です。これには環境的な要因も大きいので、なかなか国内で意識を変えていくのは難しいと思いますが、どんどん海外に出てプレーする選手が増えていくのが良いと思います。
――女子サッカーを頑張っている子供たちに、世界で勝つために必要なことをアドバイスするとしたら?
将来の女子選手に対して、足技や細かいテクニックよりも“止める蹴る”の質をとにかく向上することが大切だと思います。どんなボールも止められ、様々なキックができることが大切です。
海外では、荒いボールやシュート性のボールがどんどんくるので、それをしっかり止められれば見える世界が変わるので、とにかく基礎を磨くことに時間と努力を費やしてほしいなと思います。
To Be Continued…(vol.2は11/7(土)投稿予定)