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パトリック・ビエラ 独占インタビュー 『才能プラスアルファ』

強靭的な肉体でありながら足技にも長けており、攻守の要として主にフランス代表、アーセナルで活躍をしたビエラ。
中盤の底と言うポジションの中で、間違いなくサッカー史に名を刻むプレイヤーである。

キャリアスタートは1993年、ASカンヌでプロデビューを果たす。
1996年アーセナルに移籍。当時チームを率いていたアーセン・ヴェンゲルにより才能を見出され、開花。
後年こそ移籍はするものの、キャリアの多くを同チームで過ごし、中核を担った。

ナショナルチームとしては1997年に初招集。
粒揃いのフランス代表において、10年以上も代表の座につきチームの大黒柱として支えた。
またその経験、戦術眼も買われ、後年はキャプテンにも抜てきされる。

2011年引退表明後、下部組織のコーチやリザーブチームの監督と指導者の道をスタート。
現在では世界中のクラブチームからオファーをもらい、各国で指導を行っている。

この記事は、一話完結となります。

生年月日:1976年6月23日
出身地:セネガル・ダカール
身長:192cm
種目・ポジション:MF

経歴:ASカンヌ(フランス 1993-1995)→ACミラン(イタリア 1995-1996)→アーセナル(イングランド  1996-2005)→ユベントス(イタリア 2005-2006)→インテル(イタリア 2006-2010)→マンチェスター・シティ(イングランド 2010-2011)


ーー若い選手が上達するにあたり何が大事だと思いますか?

当然、まずは才能だね。才能があればなんでも簡単に行く。
だが、才能だけでは夢を実現するには十分とは言えない。

犠牲や覚悟、そしてハードワークも必要なんだ。
才能に加えて、こうした全ての要素が揃えばトッププレーヤーになれると思う。

ーーあなたが若い頃、どんな問題に直面しましたか?

選手が若く、成長している時、トッププレーヤーになったら何を期待されているかはだいたい理解している。

だが、それに向かっている途中で、しばしば続けるのが辛いと思う時が来る。
そんな時、実現するためにハードワークをしなければならないことを忘れてしまいがちだ。

そういう時こそ、自分の回りにいる人達の存在、特にコーチの存在が重要なんだ。

なぜなら彼らは、才能のあるまだ18歳のプロを目指す選手達に、その道のりが長いことを理解させられる話し方や教え方を知っているからね。

ーー良いコーチとは?もしあなたがユースチームを率いるとしたら?

まずは我慢強くあること。

選手が今どこにいるのか、どこへ向かっていこうとしているのか、実現するために何をすべきかを理解すること。そのために、コーチと若い選手達との間でコミューニュケーションをとることが重要となる。

ずばり、人間関係だ。
若いコーチは選手達にとって父親のような存在でなければならない。

若い選手達は難しい時期を過ごすこともあるから、時に相談できる相手が必要なんだ。

そんな時、コーチ達が大きな役割を果たすんだ。

ーー若い選手たちにアドバイスはありますか?何をしたら良いかしない方が良いかとか。

ん、なんて?

ーー若い選手へのアドバイスは何ですか?何をしたら良いか、しない方が良いかを教えてください。

何をしたらいいかだけど、当然のこととして人の話を聞くこと。彼らの周りにいる人達がくれるアドバイスに耳を傾けること。そうしたアドバイスは心に残り、生涯忘れることはない。

人の話を聞くことができ、ハードワークができ、才能を持っていれば成功するチャンスは大きいと思う。

逆にしない方がいいことは、当たり前のことを当たり前だと考えないこと。
周りにいる人を尊敬すること。

それを心がけていればチャンスはあると思う。

ーー最後に、あなたはすごく若いころからそれぞれ異なるステージで才能があったと思いますが、一方で、若くて才能があっても途中で伸び悩み、目標にたどりつけない子ども達もいます。そういう子ども達にどんなアドバイスを贈りますか?何をどうやって変えたらいいのでしょうか?

ひとりひとり違うから。

成長に時間がかかる選手もいれば、早い時期に成長する選手もいる。

でも、才能があり、周りに良きアドバイスをしてくれる人がおり、なおかつハードワークを続けていければ、チャンスはやってくる。

サッカーでは、何が正しくて何が間違っているかを判断するのは難しい。
ただ、確かに言えることは、トップに立つための正道はないということだ。

サッカースクールに通うのが正解かもしれないし、友達とストリートサッカーを続けるのが正解かもしれない。トップにたどりつくには異なる多くの道があるんだ。

ただ、自分を信じ続けるのみ。

ーーありがとうございます。

ありがとう。

▼インタビュー動画はこちら▼

End(お読みいただきありがとうございました。完 次回投稿は12/27(日)予定)

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