――スペイン代表は世界が注目しているチームの一つです。その重圧たるや大変なものだよね?
これまで戦ってきた代表戦のたびにその重要性は感じていたし、同時に要求されるレベルの難しさも感じていた。なぜなら、どこの代表だろうと、ほとんどのチームはスペイン相手だとよりいいプレーをしようとするからね。 自分の将来に向けてアピールするには絶好の機会になる。
だから一度だって簡単な試合だなんて思ったことはないし、むしろその逆だ。僕らはすごくコンパクトでバランスの良いチームを作り上げることが出来た。それはここ数年のハードワークのたまものだし、その結果としてチームが輝くことができている土台を安定させることが出来たのだと思う。
――スペイン代表に対する想いと目指すべき方向性を聞かせてください。
とりわけ、僕にとってはここベルナベウでの試合は常に重要なんだ。これまでも素晴らしい代表を相手に素晴らしい試合をしてきた。
次のステップに進むために強気で相手をつぶしにかかり、スペイン代表がどれだけ優れたチームで、どういうサッカーをするかを見てもらいたいという意欲にあふれていた。
ユーロやW杯での成功の後から数年たち、スペイン代表もチームを去っていく選手や新たに加わった選手など世代交代や変化があった。それはどこの代表でもごく自然な変化だと思う。
だけど僕たちのチームとしての基本的なアイデンティティは変わっていないと思う。スペインは常に試合を支配したいし、相手を上回るポゼッション率や試合をコントロールしたい。それによってあの頃の歓喜を取り戻そうとしている。こうした野心が、スペインを常にユーロやW杯のような大きな大会で優勝杯を掲げることにつながってきたし、それがあるから再び成功できると自分たち自身を信じることができるんだ。僕たちはサッカーで自分たちのトレードマークを示さなければならない。
――スペイン代表の強みであるポゼッションサッカーが通用しなくなったとも言われてますが。
サッカーにはそういうところがあるよね。良い時も悪い時も学べるチャンスはある。僕はいつも言っているんだけど、人生ではひとりの人間としてもプロとしても悪い時こそ、より学べるチャンスがあり、それゆえ意味があると思っている。
ブラジルW杯では、僕らのチームはそれまでほぼ勝ち続けていた状態でのぞんだが、しかるべき結果を得ることが出来なかった。
さっきも言ったとおり、ひとつのサイクルが変わったことで選手や監督が変わり、残念ながらそれは機能せず爪痕を残すことは出来なかった。
でも、僕たちは復活を目指さなきゃいけない。後ろを振り返らずに前だけを向き、再びスペインがこうした大会で優勝できることを証明していきたい。
――セルヒオ、勝利でも敗戦でもなく重要なのは、どんな時もブレずに自分たちのサッカーを貫くことですか?
もちろんさ。僕らはチャンピオンでなかった時も常に胸を張ってきたし、試合に負けて敗退して「僕たちは終わった」と考えた時でも、そういう批判や中傷を受け止めなければならないと理解し、ぶれることなく重要な目標を曲げずに進んできた。
スペイン代表は単なるサッカーの代表チームということだけでなく、人々にとって大きな価値を持っていると思っている。だからこそ、敗退してから逆にサポーターも増えた。
この代表チームに、人々は他の国にはないようなシンパシーや喜びを感じてくれている。世界のどんなところで試合をしようと彼らの愛情を感じるんだ。
それは、僕たちのやってきたことが間違っていないという何よりのしるしだと思う。
――イケル(カシージャス)というモンスターの後、ダビド・デ・ヘアが偉大なGKに成長しましたが今や世界のトップにたどりついた彼の人間として選手としての成長をどう思いますか?
僕にとってダビド・デ・ヘアは世界トップレベルのGKの一人だし、信頼を得るために必要な成熟や経験はユナイテッドですでに身につけることが出来たと思うし、もうそのレベルは超えている。もちろん、僕たちの代表でのレギュラーの地位もね。
彼は毎試合素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるし、彼が僕らの代表にいることは大きな“保険”だよ。彼は後ろがよく見えてるし、飛び出しのタイミングもいい。足元のボールさばきやハイボールへの対応も素晴らしいね。ダビはGKとしては完璧な選手だと思うし、ゆえに彼の将来は彼の手の中にある。
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End(お読みいただきありがとうございました。次回投稿は1/17(日)予定)