開催はカタールW杯はグループステージ真っ只中の11月26日(土)。会場はMIFA豊洲。
朝から冷雨が降り心配な空模様であったが、スタートの13時には雨はピタりと止んだ。それはマラドーナの神がかったプレーに観客が驚きのあまり、一瞬息を飲むかのようだ。
参加者は小学生高学年を中心に、サッカーに夢中な子どもたち20名程度が集まった。もちろん全員がディエゴ・マラドーナを知るわけではない。むしろ彼らのアイドルは、メッシであろう。それでも、加藤はプレイヤーとしてのマラドーナはもちろん、彼を通じてサッカーの素晴らしさを伝えたいと、このイベントを企画した。
この想いを開始の挨拶とし、イベントがスタート。サッカー少年たちはコートを目の前にうずうずとしている。子どもたちには堅苦しい話よりもまずはボールを触ること、それが言葉以上に大事である。
今回のイベントではゲストも駆けつけた。ストライカープロジェクトの長谷川太郎氏だ。彼もまたマラドーナへのフォロワーであること、未来の子どもたちへの育成活動を行なっている人物として、今回のイベントに快く引き受けてくれた。
未来のエースたちは、夢を追いかけるかのごとく一心にボールを追う、おう。そして加藤、長谷川もまだまだ子どもたちには負けじとボールをいなす。時に楽しく、時に真剣に子どもたちに指導が行われた。子どもも大人も関係なし。寒空の中、1時間みっちりと全員で汗をかいた。
疲れた身体もほどほどに、第二幕がはじまる。
加藤がサッカーをはじめた時から今でもずっと憧れているディエゴ・マラドーナ。テレビや雑誌で見ていた到底手の届かないスターから、実際に対面、ボールまで一緒に蹴った体験を動画を使いながら事細かに話す。なぜなら今日は「マラドーナ追悼イベント」だから。
※生前マラドーナへ会いにいったドキュメンタリー動画のダイジェスト
マラドーナを知らない子どもたちも目を丸くし、食い入るように話を聞いていたのがとても印象的であった。全ての夢が叶うわけではないけれど、必死に夢を追いかけていれば、叶う夢だってある、そう言わんばかりの熱量が加藤からうかがえた。
そしてなんと二幕では、スペシャルなゲストが急きょ駆けつけてくれた。亘崇詞氏と集英社 児童書編集部 副編集長の加藤氏である。
亘氏は、マラドーナの現役時代一緒にプレーをした最後の日本人。実際に彼の側にいないと聞けない、貴重な話をたくさん披露してくれた。また加藤氏は集英社「学習まんが 世界の伝記NEXTディエゴ・マラドーナ」(2022年10月26日発売)が刊行されたということで、集英社から子どもたち一人ひとりへ伝記が配られた。
「学習まんが 世界の伝記NEXTディエゴ・マラドーナ」/ 集英社
わずか三時間程度のイベントではあったが、実地あり座学あり、貴重なゲストありと、とても内容の濃いイベントになった。これは後付けだけれど、W杯イヤー、アルゼンチン優勝とこれも何か因果のように感じる。
最後に加藤は、ぜひこれからも毎年「マラドーナ追悼イベント」を開催していきたいと意気込み、閉幕である。