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–トレーニングや、両親のことで若い選手たちにアドバイスはある? 両親や友だちは大切だと思うけど、君にとって大事な人は誰?それはなぜ?君を導いてくれた人とか、時に君を悩ませたりとか
僕には家族がいたし、両親もいた。いつも後ろ盾になってくれたし、助けてくれた。14歳でブエノスアイレスに移り住むことを決めた時も、僕のことを応援してくれたよ。
仲間の中には、そういう運に恵まれなかった選手もいるし、親から一人暮らしを認めてもらえなかった選手もいる。支えてくれたのが家族なのか他の人なのかは、選手によるよね。
いずれにしても、誰か支えてくれる人がいるということが重要なんだ。ましてやそれが家族ならなおさらだね。
その後に目標を達成できるかどうかは、本人の努力や献身、根気という3つの要素であることは間違いないと思う。もちろん、謙虚さも必要だね。全部で4つだ。
–その当時を思い出すことはある?特にブエノスアイレスに着いたばかりの最初の夜のことを。どこに住んでいたとか、誰と住んでいたとか
もちろん覚えてるよ。両親はこれから住むブエノスアイレスの家まで、付き添ってくれたんだ。
僕はラ・カンデラ(=ボカの宿舎)のところまで行ったんだけど、親からチャオ(=じゃあね)と言われるまで中に入れなかったんだ。別れた後、両親はサンルイスの町に帰っていった。両親を見送り、ひとりになった僕は自分にこう言った。「新しい生活が始まるんだ」ってね。
それから両親のいない1週間が過ぎたんだけど、僕は思ったんだ。これは僕が望んでいたこと、なんだとね。そう考えることで、少し落ち着くことができた。
僕がいた寮には、他にも同じくらいの年齢の少年たちがいたけど、皆が皆、耐えられたわけじゃない。僕は本当にそれを望んでいたから、冷静でいることができた。
僕はチームメイトでもあったイスラエル・エスカランテと相部屋になった。その後に起きた多くの出来事やエピソードは、今でも忘れることはないよ。
ボカでのことは本当に信じられないほど、貴重な経験だったよ。
–君に代表招集の電話がかかってきた時、どう感じた?
代表に呼ばれたことは信じられなかったよ。本当に信じられないようなことだった。
スカローニ監督(アルゼンチン代表監督)のアシスタントコーチのマティアス・マナから、ある日メッセージが届いたんだ。「君は次の代表メンバーに招集されたので、他の選手と一緒に来るように」ってね。
僕は「よし、ずっと追い求めていたものが、手に入るぞ」って思ったね。それまで何年も続けてきた努力へのご褒美だと感じたよ。それは素晴らしい瞬間だった。
でも、その瞬間はもう過ぎた。今は、また代表に呼ばれるようにできることを全てやるだけだ。またあのユニフォームを着られるようにね。
–これを聞いているサッカー少年たちに、代表に入ることがどんなことかを教えてやってよ。アンヘルがロサリオにいた時、メッシがニューウェルスにいた時、もし君が彼らと出会っていたら、きっと年相応の普通の人間だったと思うけど
その通りだ。彼らのような素晴らしい人間性を持つ、偉大な選手たちに出会えたことを嬉しく思うよ。
もし僕が彼らとずっと幼少期を共にし、一緒にプレーができたのなら、さらに素晴らしかっただろうね。世界最高レベルの選手たちと、国の威信をかけ一緒に戦う。それは、言葉では言い表すことができない。
もし本当にそれを実現したい、代表に入りたいのなら、戦わなければならない。そこは本当に素晴らしい場所だからね。
–最初に代表に呼ばれた時の練習で、君はメッシをマークすることになった。「僕はなんて運が良いんだ」って思ったかい?
僕にとっては同じことだよ。たまたまマークすることになっただけで。僕は彼をマークすることになったけど、彼を捕まえることはできなかった。
すごく早いし、急なストップやフェイント、やることなすことまさに世界一だったよ。それは間違いないね。保証してもいい。フリーキックを6本蹴れば、5本は決まる。残りの1本はクロスバーだ。
彼は、普通の選手では絶対にできないようなことをするんだ。
–君はその彼からボールをカットしようとして寄せたりしたわけだ
プレッシャーをかけなければ、彼はゴールを決める。でも近づけば、もうそこにボールはない。
まさに常人離れしてる。彼からボールを奪うのは不可能だよ。いつだって彼はワンタッチかツータッチでプレーする。ワンタッチじゃなきゃいけない時はワンタッチで、触るべきじゃないところではスルーをする。
すべてのプレーがすごいんだ。信じられないよ。
–世界の少年たちにどんなアドバイスをする?
世界の?あらゆることで?
–あらゆることで。やるべきこと、やるべきじゃないことは何?
努力をすること。何かを成し遂げたいなら、それを探し続けること。それと、決して謙虚さを忘れないこと。
もう一度言うけど、何かを成し遂げたいなら、情熱と忍耐を持って取り組み続けること。それが大事なことだよ。
–どんな練習をするのが好き?監督からは何を学んだ? 「自分には合ってない」と思うような監督に出会った時、何か監督と話たりする?それとも何も言わない? 何が言いたいかよくわからないような監督もいるでしょ?
色々なタイプの監督がいるよね。思うに、どんな監督からでも学ぶことはあるし、そこから何かを吸収しようとする姿勢が大事だ。
僕は厳しい要求をしてくる監督は好きだし、ミニゲームを多く取り入れ、ボールを使った練習をする監督が好きだ。要求が厳しいのは、試合の時にこれまでの練習の成果がプレーに出るからだ。
だから、練習の時にあえて厳しく要求されるのは、重要なことだと思う。
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End(お読みいただきありがとうございました。完 )